自立活動部の概要

 今年度は、小学部3名、中学部2名、高等部2名、自立活動専任2名の計9名の体制となりました。各学部との連携をより深めながら本校の自立活動を推進する体制を維持しつつ、日々の指導を支えます。

 自立活動専任は、自立活動に関する各種の相談への対応を通して、子どもたちの日々の学びの場にも深く関わりをもちます。

 自立活動部として全職員向けの基礎研修、摂食研修、プール指導研修、姿勢づくり研修、感覚と運動の高次化理論研修など自立活動にかかわる研修の実施や学習会の開催、自立活動流れ図の推進と定着を目指した丁寧なフォローアップなどの具体的な業務を前向きに推進してまいります。

自立活動 教材紹介

教材教具の紹介

前庭覚に回転刺激を入れる教材「スピンボード」

 「感覚統合」の考え方で、回転刺激は三半規管にある前庭覚という初期(基礎)感覚に作用して、覚醒レベルを高めたり、生理的不快(お腹空いた、眠い、喉が渇いた、気圧の変化でなんとなく調子が悪い、など)による情緒の乱れをコントロールする力や眼球の動きをコントロールする力を育てたりします。

 またそういった前庭覚への刺激を含む、初期(基礎)感覚への刺激を求めて、自分でも理由がわからずに授業中に離席してしまうお子さんもいます。(保護者のみなさんや先生方もお困りだと思いますが、実際、一番困っているのはお子さんだったりします。)

 本校でも上記のねらいからオフィスにあるような回転椅子を使ってお子さんに回転刺激を入れているのですが、姿勢を保つ力が弱かったり、上体を動かしてしまったりするお子さんについては、回転軸がぶれてしまって回転椅子ごと転倒してしまう恐れがあるので使えませんでした。

 また日高市の特別支援学級の担任の先生から前庭覚に回転刺激を入れられるような教材教具が学校にないのでどうしたらよいか、というご相談をいただいていました。

 そこで姿勢を保てなかったり、上体が動いたりしてしまうお子さんにも安全に使用でき、かつ特別な木工機械を必要とせずに簡単に作製できる「スピンボード」を考案しました。

 もしご指導なさっているお子さんに「生理的不快に情緒が左右される」「手を目の周りでひらひらさせている様子が見られる」「斜にモノを見ることが多い」「追視が見られない」「覚醒レベルが低い」「授業中に離席が多い」などの様子が見られましたら、試しに取り組んでみるのもよいと思います。(ここに述べたような様子にはお子さんによっていろいろな要因がありますので、この取り組みですべて解決するわけではありません。)

 下記にセッティングの仕方・使い方を動画で、材料・作り方を画像でお示ししていますので、必要に応じてご活用ください。

 また作ってみて、使ってみての感想をコメントで頂けると、今後の改良のヒントになりますので、ぜひよろしくお願いいたします。

【参考文献】 「保育者が知っておきたい 発達が気になる子の感覚統合」木村順(著) Gakken

 

 

自立活動授業風景等

自立活動授業風景&学習会報告

中学部・虹グループの自立活動の様子

足首にかたさがあるお子さんへのアプローチを行っています。

膝が曲がらないように押さえた状態でかかとを手前に引きつつ、前腕部でつま先周辺を軽く押し込んで足首に入っている力を緩めて背屈するように誘導しています。

足首がかたく、尖足(つま先立ち)気味なので、足首をしっかりと曲げて足裏をマットにつけて踏みしめる練習もあわせて行っています。

足裏がしっかりマットにつくように足の甲を支援しつつ、膝を手前に放物線を描くように引いて足裏でマットを踏みしめるように促します。

お子さんも教員の動きに応じて腰を少し浮かせて軽くブリッジのような姿勢をつくり、足裏でしっかり踏みしめています。

歩行動作の前に横になった状態でこのような学習を行い、よりよい動きを引き出すよう努めています。

0