『江戸の生き方に学ぶ』
「粋でいなせ」、その言葉を聞くと、格好よさを感じます。
広辞苑によると、
「粋」とは、気持や身なりのさっぱりとあかぬけしていて、しかも色気をもっていること。人情の表裏に通じ、特に遊里・遊興に関して精通していること。
「いなせ」とは、一説に、江戸日本橋魚河岸の若者が髪を「鯔背銀杏」に結っていたところから粋で、いさみはだの若者。また、その容姿や気風と記してあります。
また、江戸時代には、「江戸しぐさ」という、よりよく生きるためのルールのようなものがあったようです。
ウィキペディア(Wikipedia)によると、「江戸しぐさ」であるとされる例として、
〇 傘かしげ
雨の日に互いの傘を外側に傾け、ぬれないようにすれ違うこと。
〇 肩引き
道を歩いて、人とすれ違うとき左肩を路肩に寄せて歩くこと。
〇 時泥棒
断りなく相手を訪問し、または、約束の時間に遅れるなどで相手の時間を奪うのは重い罪(十両の罪)にあたる。
〇 うかつあやまり
たとえば相手に自分の足が踏まれたときに、「すみません、こちらがうかつでした」と自分が謝ることで、その場の雰囲気をよく保つこと。
〇 七三の道
道の真ん中を歩くのではなく、自分が歩くのは道の3割にして、残りの7割は緊急時などに備え他の人のためにあけておくこと。
〇 こぶし腰浮かせ
乗合船などで後から来る人のためにこぶし一つ分腰を浮かせて席を作ること。
〇 逆らいしぐさ
「しかし」「でも」と文句を並べ立てて逆らうことをしない。年長者からの配慮ある言葉に従うことが、人間の成長にもつながる。また、年長者への啓発的側面も感じられる。
〇 喫煙しぐさ
野暮な「喫煙禁止」などと張り紙がなくとも、非喫煙者が同席する場では喫煙をしない。
〇 ロク
江戸っ子の研ぎ澄まされた第六感。五感を超えたインスピレーション。江戸っ子(江戸しぐさ伝承者)はこれで関東大震災を予知したという。
〇 お心肥やし
知識・機能を増やすだけでなく心・感性を磨く。
〇 見越しのしぐさ
先を読む。
みんなが思いやりの心を持ち、仲良く、そして共に生きるための「人に対しての言葉遣い」や「しぐさ」は、これからも大切にしていきたいものです。